麻雀の強さの構成要素の解説と場況判断力についての解説

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麻雀の強さを構成する要素は沢山あります。

牌効率がしっかりしていること、押し引きが的確なこと、鳴きが上手いこと、ベタオリができることなどなど。

これらの総合でいわゆる雀力として麻雀の強さとなります。

どれも重要な要素ですので、それぞれについて説明し、上達のコツなどを紹介していきます。

また、あまり語られることのない部分ですが、場況判断力という要素も重要です。これについても詳しく解説します。

目次

牌効率

牌効率という言葉はあいまいな言葉で、概ね二通りの意味が含まれます。

一つはテンパイまでの受け入れの広さを最重視した打牌をすること。

これは、受け入れ枚数の多い方に受けることができる力という意味合いです。

一般的にはこの意味合いで使われることが多い気がします。

もう一つは、受け入れだけではなく、期待できる打点も考慮して総合的に良い打牌をすることです。

特に最近はこちらの意味での牌効率を重視する人が増えている気がします。

例えば、定石何切る301という戦術書はこちらの意味での牌効率を強化する本です。

打点を含めた意味であっても、受け入れの広さを比較する力は牌効率の基本になります。よって、牌効率を極めるためには受け入れの広さについて瞬時に理解し比較する練習をすることになります。

このための基本的な練習は何切る問題が良いでしょう。特に明確な正解のある何切る問題をやると良いです。

上級者でも意見の別れるような何切るだとどの選択も大差ないことが多いです。

牌効率の基本を押さえるには明確に差のある選択で間違えないようにすることが重要です。

また、普段の対局でもなるべく受け入れの広さを意識し、余裕があれば受け入れ枚数を数えるようにしましょう。

これに慣れていくと、牌姿を見ると反射的に受け入れの広い形、狭い形というのがなんとなくわかってきます。

例えば13のカンチャンと34の両面を見ると13の方は2だけが受け入れで、34だと2と5が受け入れで・・・と考えずとも、誰でも両面の方が受け入れが広いことはわかると思います。

これを拡張していくイメージで、では2334と1234のくっつきだとどちらの方が広いのか等だんだんと形が分かってきます。なるべく瞬時に差がわかるように練習します。

受け入れ枚数の比較ができるようになると、テンパイスピードが上がります。テンパイスピードが上がるとアガリ率が上がります。アガリ率は麻雀の成績においてかなり重要なファクターですので、それは成績に表れます。

また、牌効率については優れた戦術本が存在しますので、それらの本を読むことによって学習できます。体系的に形について学べるので、上達の効率を考えると、一通り本を読んで有名な形を覚えるのは非常に良い方法です。

押し引き

押し引きとは主に先制攻撃を受けた際に自分がまだ押すかオリるかの判断の事です。

押し引きを間違えると自分の手が見合っていないのに攻めて放銃したり、自分の手が強くて反撃する価値があるのにオリてしまい勝ち切れないということが起こります。

アガリや放銃など得失点にダイレクトに関わっていくので重要でありながら、判断が正しかったのかの反省がしにくい部分です。

押すべきでない局面で押してしまってアガリきってしまうと、結果が良いので押してよかったと勘違いしやすく、反省しにくく、その結果誤った学習をしがちになります。

押し引きの本質はリターン>リスクの局面なら押し、リターン<リスクの局面ならオリという単純なものです。

ただ麻雀ではこのリターン、リスクというものが非常に分かりにくく、結果として押したらいいのかオリたらいいのかの判断が困難になります。

例えば、子からリーチを受けた局面で自分がイーシャンテンだったとします。この状況でリターンに当たる部分は自分がアガれた際の得点で、リスクは押したせいで放銃してしまうことです。

問題はこれらの確率と期待値がどの程度なのか、という部分です。

自分がアガれる確率と得点は現時点での手の受け入れやテンパイしたときの待ちの良さ、リーチ者の待ちの良さ、他の二人がどの程度押すか、残りの巡目がどのくらいあるかなど、様々な要素が絡み合っているので正確に計算するのは困難です。

同様にリスクの部分も相手へ通ってない牌がどの程度あるか、自分がアガリ切るまでどの程度の危険牌を切る必要があるかなど、計算が難しいです。

それでも麻雀研究は進んでいて、イーシャンテン押しとテンパイ押しではリスクに大きな差があるなど、分かってきたことも増えています。

押し引きもやはり戦術書に学ぶのが上達には一番手っ取り早いです。

統計データに基づいて押し引きについて解説した本などがありますので、自分で毎回押し引きを考えるよりもこれらの本に書いてある知識を吸収し、対局時に反映させる方法が最も効率的です。

逆に、自分の体感やオリジナルの考えで押し引きをしてしまうと、それが正しいと思いこみやすい(先述したとおり押し引きは正しい反省がしにくい)ので、延々と誤ったやり方で損をする恐れがあるので、まずは先人の知見を参考にするのがおすすめです。

鳴き・リーチ判断

鳴きとリーチを合わせて発声判断です。当たり前ですが発声する際にはそのリーチ・鳴きが得かどうかの判断が必要になります。

リーチ判断に関しては筆者はこの力が一番習得が容易で成績に反映されやすいと考えています。初心者はまずここを押さえると良いでしょう。リーチ判断については記事を書きましたので参考にしてください。

鳴きについては軽視しがちな方も多いですが、牌効率がスピードの改善に繋がるのと同じく、鳴きもスピードの改善に繋がりますので、実はかなり重要な要素です。

正しい鳴きは正しい牌効率と同様にアガリ率の向上をもたらします。また鳴きについては毛嫌いする方も多く、そのような方と差をつけることもできますので、必ず身につけておきましょう。

鳴きの本質は加速です。スピードは打点より重要だという考えを持てないと鳴けません。

また、そもそも鳴くという発想を持たないと鳴けません。

手牌をよく見てどこを鳴いて、どこを鳴かないかというのは常に考える癖をつけましょう。

無意識に面前にこだわっている方も多いですが、基本的に面前のテンパイは「運よく鳴かずに手を進められた結果」と考えると鳴きやすくなります。

面前でのタンヤオテンパイなどは奇跡的で、タンヤオは基本的に鳴いて進めていく、という感覚を持てると良いと思います。

特に鳴きに関しては天鳳などオンライン麻雀の強者の観戦はためになることも多くお勧めです。そこを鳴くのか、という自分にはない発想を得ることができると思います。

ベタオリ

ベタオリは基本的に相手の現物を切ることですのでそこまで難しくありません。

どちらかというとしっかりとオリるべきときにベタオリできるかという押し引きの部分が難しいところです。

ただ、ベタオリにも順番があります。

現状のリーチ者への現物を切ることは大事ですが、同じ現物でも将来的に二軒リーチになった際の共通安牌は優先的に残すことが重要です。

そのためにはリーチ者以外に誰が押しているのか?ということに注目しないといけないので難しくなります。

また、現物がないときにワンチャンスや筋、また捨て牌から読める比較的安全な牌など、通りやすい牌を見抜く力も必要になります。

読み

読みには手牌読み、打点読み、山読みなど種類があります。

手牌読みは往々にして初心者に人気のある技術ですが、初心者には使いこなせない技術でもあります。

基本的に相手が牌効率通りに打つことを前提に手牌を読むことになるので、相手が牌効率通りに打たないなら読む意味がないですし、自分も牌効率が分かっていないといけません。

また、読みで待ちを一点に読むなどは不可能に近く、通りやすい牌が分かったり、待ちが少し絞られる程度です。

このように、かなり高い技術が必要な割にはリターンが少ないので、特に初心者や中級者はそこまで習得を焦らなくても良いと思います。

一方で打点読みと山読みは比較的扱いやすく、そこそこのメリットがあるので、初心者でも意識した方がいいと言えます。

打点読みは鳴いた相手の打点が高いかどうかを読む技術です。リーチ者は一発や裏ドラでいくらでも打点は変わりますし、得られる情報も少ないので打点を読むのは不可能に近いです。

一方、鳴いた人は役が限定されやすいので打点も読みやすいです。タンヤオ牌を鳴いている人がいる中、ドラも赤も全て見えていて、暗刻になりうる役牌もないのであれば、1000点か三色絡みの2000点しかあり得ないということが分かります。コツは鳴いた人の役を推測し、考えられる最高打点を推測することです。

また、山読みは主に山に残っている牌や色を推測する技術です。特に色の高い安いは待ち・ターツ選択の際に参考になります。

例えば序盤に2を切っている人は1を持っていない可能性が高い→山に1が存在する可能性が高い、というような考え方になります。

つまり相手が持っていない牌を推測する技術とも言います。これも相手の河に注目する必要があるので難易度はそれなりに高い技術になります。

メンタル

メンタルは技術ではないですが、麻雀には非常に重要な要素です。

麻雀は短期スパンでは運の要素が強く絡むゲームですので、正しい判断をしてもなお負け続けるようなことが起こります。

そのようなときにも冷静に正しい判断をし続ける力というのは、長期成績を考えるにあたり重要な力になります。

メンタルが弱いと負けが続くとやけくそになり無理な押しをしてしまったり、やたら高打点を目指すようになったりと自分が持っている力を出しきれなくなります。

メンタルがブレるというのはステータス半減の状態異常にかかっているようなものです。牌効率が100の力がある人でも50しか発揮できないというようなことになります。これまで説明した技術それぞれを正確にこなすための下地となる力です。

メンタルを鍛える、といってもこれについては性格的なものも大きいですし、テクニックで心理を変えるのも難しいところではあります。ただ、少し参考になりそうな考え方を紹介します。

何もなかった、と考えるメンタルリセット

以前某芸能人の発言で話題になったメンタルリセットという言葉ですが、これは結構実用的です。

負け続けていても、麻雀において過去の結果は未来には全く関係のない話なので、一切を忘れることで次の打牌に集中するという方法です。

めくりあいに負けたり、自信のあるリーチがアガれなかったりと理不尽な目にあっても、それらはとりあえず全て忘れて、今の局が今日最初の局だ、と考えることで正しい選択をする冷静さを取り戻しましょう。

技術的に強くなることで心の余裕を持つ

メンタルを強くするには麻雀自体強くなることも有効です。

麻雀が強くなる、ということは相対的に対局者の方が弱い可能性が上がります。

そうすると、たまたま負けが込んでも、「長い目でみればどうせこの人たちには勝てる」という心の余裕が持てるようになります。

どうせ自分が最終的に勝つんだ、という自信が持てれば、負けが込んでも余裕が持てるようになります。

メンタルが弱い、鍛えたい、と思っている人も、麻雀の技術自体を上げることは実は一番近道なのではないかと思います。

場況判断力

さて、多くの戦術書や解説サイトでは上記の牌効率、押し引き、鳴き、ベタオリ、読み、などを麻雀の技術として分類していることが多いですが、ここで私が個人的に大切だと考える場況判断力という要素について説明します。

初心者のうちはそこまで考えなくても良いですが、中級者以降にとってはかなり大切な技術であると思っています。

場況とは、言葉の通り場の状況のことです。

東場なのか、南場なのか、点数状況はどうなっているのか、親は誰か、何巡目か、相手の河はどうなってるのか、など場から得られる情報は非常に多く、また常に状況は変わっていきます。

これまで説明した技術は実践では場況と絡むことが非常に多いです。

例えば、自分が親で良い手なのでリーチにも向かうのが普通だが、南三局でトップ目なので、わざわざリスクを負う必要がなく、ツモられてもそこまで問題ないのでオリる、という判断が考えられます。

ここでは通常の押し引きの基準に加え、南三局だということと自分と相手の順位という場況を考慮し、判断しています。

この判断についてはまず南三局であることと自分がトップ目であることに気づかないとできません。またこの情報によって押し引きの基準を変えてしまうくらい場況を重視しています。

このように場の情報を得る力どの程度その情報を考慮するかの判断力が麻雀では必要になります

牌効率でも、例えばターツオーバーで愚形があるならそれを払うのが基本ですが、染め手をしている人がいるので両面でもその色を払うことでアガリやすくする、という判断が考えられます。

ここでもそもそも染めている人がいるという情報を得られるかの力が必要です。

また、それが分かったとしてもなお両面>愚形の基本を重視してあえて愚形を払いその色は残す、という判断をする人もいると思います。その判断の正確さも勿論重要な技術です。

基本的に初心者は最初は場況など考えず、基本的な牌効率や押し引きを徹底的に学んでいくことが重要になると思います。

ある程度それらを理解したら場の情報と照らし合わせて判断をアジャストしていくことで上級者になっていくのが上達への近道でしょう。

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