麻雀を覚えるときの最初のハードルは役を覚えることです。
いざ麻雀をやってみようとしても、役が多い、成立条件が分かりにくいといった理由でうんざりする人も多いです。
一方、趣味として普段から麻雀をする人、麻雀を上達したいと思えるほど熱中している人にとって、役を全て覚えていないというのはほぼありえません。
大抵のプレイヤーにとって役を覚えていることは大前提になります。
しかし、役の成立条件だけでなく、役の特徴や狙うメリット・デメリットまで深く考えたことはあるでしょうか。
今回の記事では麻雀の超基本である役について考察してみようと思います。
なおリーチは特に重要な役なので過去に記事にしてあるのでそれを参考にしてみてください。
また偶然役(一発、ハイテイ、ホウテイ、リンシャンカイホウ、チャンカン、ダブルリーチ)、出現頻度が少ない役(三暗刻、純チャン、清一色、混老頭、三色同刻、三槓子、小三元、二盃口)、面前ツモ、役満は除きます。
目次
タンヤオ
現代麻雀における重要役その1。
圧倒的な狙いやすさで、出現頻度が高い役です。
面前で1ハン、鳴いても1ハン。
多くの役は鳴くとハン数が下がりますが、タンヤオと役牌とトイトイにはそれがありません。
よって鳴いて手を進めやすいです。鳴いて手を進めやすいということはアガリまでの加速に役立ちます。
食いタンをうまくアガれるかは成績に影響しやすいスキルです。
19字牌の対子などがある手でも、対子落としをしてでも食いタンに向かった方が速くアガれるケースなど多くありますので、手牌をよく見て食いタンに移行できないかは常に考えましょう。
タンヤオ自体の打点は低いですが、ドラや赤や三色、面前であれば平和や一盃口など他の役と複合しやすいので打点面から考えても扱いやすい役といえるでしょう。
タンヤオ(特に食いタン)を制することができるかが強者の分かれ道と言えます。
平和
麻雀の基本と言われることもある平和ですが、正直タンヤオや役牌に比べると若干重要度は下がります。
面前限定で、成立条件もそれなりに難しいです。
とくに平和にこだわりすぎると、愚形待ちを恐れすぎる傾向になるので注意が必要です。
他の役と複合しやすく、待ちが必ず両面以上なのでリーチとの相性は抜群です。
意識的に狙い過ぎず、うまくできれば積極的にリーチしていくと良いでしょう。
役牌
現代麻雀における重要役その2。
役牌を3枚集めるだけで1ハン、しかも鳴いても良いということで大変コスパの良い役です。
特にダブ東のコスパの良さは驚異的です。
出現頻度が高いのでしっかり役牌を使ってアガれるようになりたいところです。
鳴いてアガることが多く相手の高い手を蹴ることもできますし、逆に役牌ドラ3などコスパの良い満貫をアガることもできます。
よほど他の手牌が悪いときを除けば一鳴きして速攻をかけていく展開が望ましいです。
また役牌バックであっても積極的に仕掛けていきましょう。
他家に役牌バックだと思われても相手は役牌は不要になりやすいので切られますし、本当に警戒され絞られたならその相手もアガることは難しいです。
現代麻雀では役牌バックは有効な戦術です。とにかく役牌が対子以上のときには積極的に仕掛けていくと良いでしょう。
一盃口
限定された6枚の牌と成立条件が難しい割に面前で1ハン、鳴いたら不成立と比較的扱いにくい役です。
タンヤオや平和、ドラや赤と複合しやすいため、アガリ時の打点は大きくなりやすいです。
また、道中で七対子に移行することもあり、一盃口を狙っていたら七対子が見えたり、逆に七対子を狙っていたら一盃口含みの順子形になったりとどちらを狙うか判断を求められることがあります。
一盃口が見えたら七対子の可能性も考えるようにしましょう。
三色同順
麻雀の華とも言われる三色ですが、現代麻雀においての価値は実はそこまで高くはありません。
三色や一気通貫のような2ハン役は、打点力はありますが成立条件が難しく、それならさっさとテンパイさせてリーチツモドラ裏のような満貫を狙った方が良いとされます。
赤や裏といった打点を底上げする存在があるので、相対的に価値が下がっています。
しかし三色は食い下がりで1ハンであるものの、鳴いても成立するのが強みです。
ドラがあり打点もあるが、タンヤオにもなりそうになく、役牌もないような手牌で、三色のおかげで役がつくというケースが稀にあります。
ドラ
上のような手で、チーやポンで手を進められるので、鳴き三色はうまく使えるようになりましょう。
面前での三色はどうしても逆転手が必要な時以外は深く追う必要はありません。
無理なく追えるなら取りこぼさない、という程度の意識で構いません。むしろ必要以上に追ってしまい牌効率を歪めてしまう方を恐れましょう。
一気通貫
三色同順と同様に、比較的コスパの良くない手役です。ただこれも面前の話であり、鳴き一通に関してはそれなりの強みがあります。
三色と同様に役牌もタンヤオもない場面で鳴き一通のおかげで速くアガれる場面があります。
手牌を見て三色を意識する人は結構いますが、一通を意識できてない人が結構います。
例えばと持っていてを引いて他に不要牌があるのにツモ切ってしまったりします。
また ドラ
という手牌から白バックを意識してをでチーし、を切ってしまう方がいますが、でチーし、を残しを切り、
チー
と一通の目も残しましょう。これにより白バックのみでなく、引きによる一通でのアガリ目も残ります。
このように一通に気づかず取りこぼしてしまうことがないように気をつけましょう。手役は意外と面前時よりも鳴いた時の方が役に立つことが多いです。
チャンタ
役として成立させにくい、成立しても愚形待ちになりやすい、相手に読まれやすい、その割に面前2ハン食い下がり1ハンとかなり不遇な役です。
19字牌という相手に不要な牌での待ちになりやすい、オリやすいというメリットもありますが、基本的にはどうしても他に役がない時に狙う役です。
ただ牌効率に明るくなってくると、無意識的にペンチャンを嫌いすぎて、チャンタを逃してしまうというケースが稀にあるので取りこぼさないように注意しましょう。
例えば
東1局東家 ドラ
上のような手で、カンチャン>ペンチャンの意識がありすぎてを切ってしまうと、が入ったときのダブ東チャンタドラ1の満貫を逃してしまいます。
これはチャンタ以外にも言えますが、3ハンと満貫の価値の差はかなり大きいので、役が複合してあと1ハンあれば満貫だった、という時の最後の一押しになる役を取りこぼさないようにしましょう。
チャンタは役牌や三色と複合しやすく鳴いた時ハン数がばらけやすいので、貴重な1ハンとして取りこぼさないよう意識しましょう。
七対子
4メンツ1雀頭の規則に従わない特殊な役です。
必ず最終形が単騎になる、ドラが2枚単位になりやすい、意図的に待ちを作りやすい、とかなり特徴的で好みが非常に分かれる役です。
必ず面前で出来上がるので、リーチとワンセットで使いたい役です。ダマテンでかわし手として使う人もいますが、基本的に七対子は成立させにくい役ですし、待ちを操作しやすく、裏ドラが必ず2枚単位で乗る攻撃的な役ですので、リーチをかけて使いたい役です。
特にリーチツモ七対子ドラドラ(裏裏)のように跳満、倍満を作りやすい役です。高打点が欲しいときにまず考えたい役の一つです。
一枚から対子を作ったりアガれやすい待ちを意識したりと山読みを問われる難しい役でもありますので、ぜひ山読みを駆使してツモれるよう意識してください。
ただ七対子を意識しすぎて一盃口による順子手への移行やトイトイへの移行を疎かにしないようにしましょう。
場況や打点、対子の牌の種類によりトイトイとはうまく使い分けたい役です。
トイトイ
個人的には初心者と上級者はトイトイを重視し、中級者は軽視するという印象を持っています。
トイトイはタンヤオや役牌ほどではないですが、意外と重要な役です。
鳴いても2ハンというのが一番の魅力です。
また役の性質上役牌と複合しやすく、そうなれば鳴いてもほぼ5200以上の打点が見込めます。
スピードと打点をそれなりに兼ね揃えた役であり、少し評価されなさすぎではないかと感じています。
また最初は役牌のみの手の予定であっても道中縦に重なりトイトイによって高打点が狙えるケースもよくあります。
鳴きが重要な現代麻雀とマッチしている役です。
初心者がわけも分からずポンしまくる役というような印象なのか、毛嫌いしている人が多い気がするので、そういった方は少しだけトイトイのメリットを意識してみてはどうでしょう。
ホンイツ
現代麻雀における重要役その3。
リーチ、役牌、タンヤオ、ホンイツは非常にコスパの良い役ですのでしっかり使いこなせるようになりましょう。
ホンイツは鳴いても2ハンであり役牌やドラと複合しやすく満貫が狙いやすいです。
さらに手組みの時点で字牌を溜め込みやすいので、オリるときも安全にオリやすいという攻守ともに優れた役です。
特にドラ色のホンイツであればそれだけで他家へのプレッシャーになりますし、アガリが成就すれば打点も大きいです。
染め手はロマンと思われがちですが、極めてコスパが良く実用的な役ですので、上手に狙ってみましょう。
1ハン縛りの解除と役のコスパ
麻雀において出現率がそれなりに高い主な役を再考察してみました。
より重視すべき役というのは「鳴いて作りやすい」「鳴いたときの打点のコスパが高い」という役です。
現代麻雀は1ハン縛りですので、加速のために面前を放棄するとリーチが使えなくなり1ハン縛りを満たすことができにくくなります。
そのため簡単に作れる成立しやすい役はそれだけで価値の高い役です(役牌やタンヤオ)。
また鳴きによる加速は打点とのトレードオフになりやすいです。よって、鳴いた上でもそれなりの打点を期待できる役もまた価値の高い役です(トイトイやホンイツ)。
正直、面前でテンパイできればリーチという大変素晴らしい役が使えるので、他の役を強く意識する必要はありません。
面前が絶望的なときにすがれる役は何か、というのを意識すると手作りがより上手になるかもしれません。