色々な人と麻雀をしていると、この人は攻撃型だとか、この人は守備がうまいという風に、攻撃型や守備型といった形容をすることがあります。
これを麻雀のスタイルとか雀風とも表現します。
個人的にこのスタイルや雀風という概念には違和感を感じています。
今回の記事では麻雀における攻撃型と守備型について考え、特に初心者はどちらを目指すのが良いのか考えてみたいと思います。
目次
攻撃・守備・攻守の切り替え
そもそも攻撃型・守備型を考える前に、麻雀における攻撃と守備とはどのようなことなのかを整理してみましょう。
主に攻撃していると言える状況は、オリていない状況のときです。
自分の手をアガるためにする動きは得点の為に攻めていると考えられますので、攻撃と見なせるでしょう。これに関わる技術としては牌効率、鳴き、リーチ判断などがあります。
逆に守っていると考えられる状況はオリているときです。また回し打ちや絞りなども自身の攻撃の手を緩め相手に対応しているという意味で守備と見なせます。
また、攻守の枠組みを超えますが、麻雀において特に重要なのがこの攻撃と守備を切り替える技術です。
オリずに牌効率や鳴き、リーチをしていく(攻撃)か、相手の攻撃に対してオリる(守備)かを判断する。これは押し引きに当たる部分です。攻撃するか守備するか決める技術は時に攻撃や守備自体よりも重要と言えます。
ミスをせず正着を目指すスタイル
さて、攻撃と守備の整理が終わったので「攻撃型と守備型のどちらを目指すと良いのか」を考えていきましょう。
そもそも「攻撃型」とは攻撃を重視する、あるいは攻撃が守備よりも上手なプレイヤーを指しています。「守備型」はその逆です。
ここで攻撃を重視する、と言う点をよく考えてみましょう。攻撃を重視するといいか、つまり押し気味だといいかどうかはルールによって変わります。
例えばフリー雀荘のように、トップの得が大きいルールであれば攻撃を重視した方がいいでしょう。
つまり押した方が良いケースが相対的に多いです。
逆に天鳳の高段卓のように、ラスの損が大きいルールであれば守備を重視した方がいいでしょう。
つまりオリた方がいいケースが相対的に多いです。
つまり、攻撃を重視するかどうかは本人の意思ではなくルールに対応するというかたちで考えられます。守備にも同様のことが言えます。
もしもフリー雀荘のルールで守備を重視するのであれば、それはルールに対応できていないと言えます。
そう考えると、そもそも攻撃型と守備型のどちらが良いというよりも、ルールに合わせて適切なバランスを取るのがベストなのだと考えられます。
もしもルールに適応する以上に攻撃しているのならそれは押しすぎですし、逆ならオリすぎということになります。
こう考えると、攻撃型・守備型という枠組み自体に違和感が生じます。
ルールに最適化した以上に攻撃に特化することを攻撃型と呼ぶのであれば目指すべきではありません。それは押しすぎているだけで、押しすぎているということはミスをしているということです。
また、攻撃が守備よりも上手なプレイヤーという観点から考えると、攻撃型の人はもっと守備を頑張った方がいいし、守備型の人はもっと攻撃を頑張った方がいいという話になります。
以前の記事にも書いたように、麻雀は減点式のゲームです。攻撃や守備に特化すればいいということではないので、攻撃も守備もしっかりできるプレイヤーを目指すべきです。
麻雀は減点式のゲームであるという前提から考えると、減点しないプレイヤーが理想のプレイヤーになります。それはつまりミスをしないということです。
ミスをするかどうかは攻撃型か守備型かという観点とはずれています。
もちろん、そういう打ち方をしたいという理由があって攻撃型や守備型、手役派や速攻派などを目指すのは良いのですが、より良い成績を残したい、強くなりたいという理由であれば攻撃型や守備型というように方向性から入るのは少しずれている気がします。
どうすれば良い成績が残せるのか、ミスをどう回避するか、その場は何を重視すれば勝ちやすいルールなのか等をしっかり考えて攻撃と守備のバランスを考えていくのが重要です。
初心者にあえてすすめるなら攻撃型
これまでの話をひっくり返すようですが、それでもあえて初心者におすすめするならどちらかというと攻撃型です。
基本的に攻撃を学んでから守備を学ぶ方が、守備を学んでから攻撃を学ぶよりも理解しやすく、楽しみやすい傾向にある気がします。
アガりに向かうというのは楽しいですし、麻雀の醍醐味とも言える部分だと思うので、まずはそこを楽しみつつ学んでいくのが良いと思います。
守備の技術も重要ではありますが、どうしてもオリは単純作業になりがちですし、アガりという成功感も得られなく、つまらなく感じると思います。
また、基本的にはオリすぎる状態から適切な押し引きバランスにするよりも、押しすぎる状態から適切な押し引きバランスにする方が修正しやすいです。
押しすぎは放銃という結果で失敗が目に見える形で起きやすいですが、オリすぎによる加点不足は反省しにくく修正しにくいと思います。
勿論結果論で反省するのは誤りではありますが、単純に反省する機会の多さは押しすぎの人の方が多いでしょう。
ということで、初心者には攻撃型をおすすめはしますが、やはり最終的な目標としてはただただミスをせず、正着を追求するというスタイルを目指すと良いでしょう。
攻撃型でも守備型でもなく、まして速度重視型や面前手役派などでもありません。
麻雀は減点式のゲームという前提から考えるとミスをしない者が優秀であり、そこを目指すのが上達の道と言えるでしょう。
あくまでもその結果生まれた打牌傾向を第三者が主観的に攻撃型や守備型と呼ぶのは勝手ですが、強くなるために目指すべきなのは攻撃型でも守備型でもなく正着やノーミスなのです。