初心者が量産型デジタルを目指すべき3つの理由

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「量産型デジタル」という言葉をご存知でしょうか。デジタル麻雀はデータや確率を重視して打つことが主な意味です。量産型デジタルはこれらのデジタル的な知識を鵜呑みにしてカンチャン即リー、早い巡目での鳴きの多用、対リーチへのベタオリなど非常に平面的で極端な麻雀のことを指します。これらは現代麻雀のセオリーではありますが、本に書いてある知識を簡単にそのまま使う人、というような意味で量産型と呼ばれ、ネガティブな意味合いで使われる言葉です。しかし、筆者は初心者はまずこの量産型デジタルを目指すべきだと考えています。最終的な目標はもっと上ですが、経由地点としてまずは量産型デジタルを目指すのが一番上達しやすいのではないかと考えています。理由は以下。

目次

上達にはステップがある

どんな物事にでも、上達するにはステップがあります。野球を始めたばかりの小学生に150キロの球を打つ練習をさせても全く上達にはなりません。それどころか、全く打てないので野球が嫌いになってしまう可能性すらあります。まずは簡単な球を打つことから始めるべきです。

麻雀においての簡単な球とは、平面的な判断の部分になります。自分の手牌だけを見た牌効率や、カンチャンドラ1なら即リー、対親リーチにはベタオリなど、基本的なセオリーとして確立されている平面的な部分です。平面的であるというのは、場況や点数状況を加味しないということですので、とにかくカンチャンドラ1の手なら即リーする、とにかく親リーならオリる、というようにひたすら条件が一致すれば同じ行動を繰り返すことになります。

逆に150キロの球にあたるのが立体的な判断の部分になります。立体的であるというのは平面的とは対照に場況や点数状況を考慮して判断する部分になります。カンチャンドラ1の手だけど役ありで南3局のトップ目だから局を消化しやすいようにダマにするとか、対親リーだが序盤で通っている牌が少なく、自分もまだ戦える手なので押す等という判断をすることになります。

勿論最終的な目標は150キロの球を打てるようになることです。しかし間違えてはいけないのは、最初から150キロの球を打とうとしても意味がないということです。まずは80キロの球、それに慣れたら90キロ、100キロ、というように上達具合に基づいて練習内容を変えていくのが効率の良い上達のコツです。麻雀も同様に、平面的な判断の理解が進まないと立体的な判断はできません。そもそもカンチャンドラ1をリーチするという発想がなければその先のステップには進めません。そしてこの平面的な判断をマスターしたが、立体的な判断はまだうまくない、という人の特徴が量産型デジタルです。平面的な判断も難しい初心者はまずこの段階を目指すと良いです。平面的な判断を理解していないのに、立体的な判断を目指すのはかなり難しいです。立体的な判断というのは、平面的な判断が分かっていてそのうえでなおその判断が場況によってどの程度変わるか、ということを考えるわけなので。

知識を鵜呑みにすることの大切さ

料理が得意な人が実際のレシピから少し外れて隠し味をいれたり調理方法を工夫したりしてより良い料理を作るということがあります。それはそもそもその料理の基本的なレシピをしっかりと理解しているからこそなせる技です。料理が下手な人はレシピがあるにも関わらずいきなりそれを無視してオリジナリティに走ります。それは大抵失敗します。まずはその料理の基本的なレシピをマスターしないことにはそれ以上のものは作れません。

麻雀も同様にまずは知識を鵜呑みにすることから始まります。カンチャンドラ1は即リー、親リーにはオリる、というようなセオリーはレシピ(戦術書)を読めばいくらでも書いてあります。まずはこの有力なセオリーを理解しひたすら真似することから始めましょう。なんて簡単なんだと思われるかもしれませんし、知識を鵜呑みにして思考放棄しているからこそ量産型と揶揄されるのだと思います。しかしこの知識を鵜呑みにするというのは初心者にとっては非常に有効な上達法であり、それができない故に弱いままの人も多くいます。

量産型デジタルは一流のコックではありませんが、一般的な料理を一般的なレベルで作ることはできる人です。そのレベルになってから初めて自分なりに隠し味を検討したりセオリーの例外を考えたりして一流のコックを目指すことができます。

最終地点ではなく経由地点

ここまで量産型デジタルをポジティブに捉えてきましたが、忘れてはいけないのは量産型デジタルは最終目標ではないということです。料理初心者→レシピ通りに作れる人→一流のコックとなるように、麻雀初心者→量産型デジタル→強者という流れを踏むのが一番上達しやすいということです。あくまでも経由地点です。ある程度セオリーを吸収し量産型デジタルっぽくなれたのであれば今度は立体的な考え方を重視して取り組んでみるとさらに強くなれるはずです。その際にはじめて自分なりに頭を使ってセオリーの例外等を考えていくと良いでしょう。

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