オリを極めて守備力を手に入れるために考えること

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

麻雀の技術は牌効率、押し引き、リーチ判断、鳴きなど、いかに効率良くスピードや打点を持ち合わせた攻撃をするかという技術が多いです。これらの技術を磨くことで強い攻撃力が手に入ります。しかし、麻雀は4人で戦うゲーム。常にあがれるわけではありません。先制リーチが打てることより、先制リーチされることの方が多く、そのときには後手に回ってしっかりとした守りを固めないと、どんどん点棒は無くなってしまいます。

その際に求められることはオリの技術です。オリは非常に地味ですが、強者と弱者を分ける非常に重要な技術です。単純に攻撃力があっても、守備力が全くなければいくらあがれても失点して意味がありません。鋭い攻撃と堅い守りを持ち合わせてこそ強者と言えます。今回はこのオリの技術について書いてみます。

目次

メンツの中抜きを躊躇わない

ベタオリは難しいとよく言われますが、ベタオリ自体は実は簡単です。相手の現物を切れば良いだけです。問題はいつベタオリするか?という点にあります。多くの初心者がリーチに対して押しすぎです。基本的にはリーチがきた巡に自分がテンパイかどうかが大きな指標になります。テンパイであれば押していいことが多いですが、イーシャンテン以下だとオリた方がいいことが多いです。この辺の押し引きは福地誠氏の「現代麻雀 押し引きの教科書」という戦術書に詳しく書かれています。現状、押し引きについて極めて詳細に書かれている戦術書はこの本と現代麻雀技術論くらいだと思われます。このブログでも具体的な押し引き戦術について書くかもしれませんが、正直この本を読んで鵜呑みにするのが一番良い気がしています。

実際の押し引きの基準や判断については置いておくとして、ここで特に初心者向けに伝えたいのが、とにかくメンツを中抜きできる癖をつける、ということです。メンツの中抜きというのは例えば345というメンツがあるとき、4が現物で4を切るということです。対リーチに明らかに降りた方がいいイーシャンテンでも、安牌がメンツになっている牌だとオリれない人が多いです。それまで作ってきた手をおもいきり壊して自分のアガリを諦めることですから、精神的にやりたくない、というのは良く分かります。しかしこのメンツ中抜きしてのベタオリができないと、いつまでたっても強くなれません。麻雀は自分があがれることよりも他の誰かがあがることの方が多いですから、対局中にオリている割合もかなり大きいです。多くのオリないといけない局面でメンツの中抜きができないとそれだけで放縦率が上がります。そうすると成績が悪くなっていきます。勝つためには歯を食いしばってメンツの中抜きをしないといけない局面も多くあるのです。それに精神的に慣れるのが初心者の最初の壁だと思います。

牌の安全度の把握

ここからは中級者向けの話になっていきます。

オリる際に常に現物を切れるなら問題ないのですが、もちろん実際はそうではありません。現物がほとんどなくてもオリないといけない時もあります。時には手牌すべてが危険そうに見えるときでもオリを選択せざるを得ないときがあります。そのときに重要になるのが牌の安全度の把握になります。

基本的な牌の安全度は安全な順に、現物、3枚見え字牌、筋19、2枚見え字牌、両筋456、1枚見え字牌、筋28、筋37、無筋19、片筋456、無筋28、無筋37、両無筋456となります(現代麻雀技術論より)

これらの安全度をしっかりと覚え、現物がなくなったときにはより安全な牌から切れるようにすることが大切になります。

他の二人の動向をチェック

オリている時によくあるのが、リーチ者に対して注目しすぎて、他者に放銃してしまうということです。もちろん対リーチにはリーチ者に放銃しないようにするのが最優先なことが多いですが、他の二人が押しているのか分かれば防げる放銃もあります。そのためには対リーチがきたら、他の二人が押しているのかオリているのかを確認することが重要です。あきらかに無筋を切っているのであれば押しでしょうし、不自然なまでに数牌の現物を切っているのであればベタオリと考えられます。また、リアル麻雀の場合は挙動から押しているか分かる時も多いです(あきらかに雑に現物だけを切りだす、やたら強打して無筋を切るなど)。この時、押している人は勿論イーシャンテンかテンパイのことが多いです。面前であれば多くの場合テンパイすれば追っかけリーチとなるはずですが、鳴いた手の場合はテンパイが分かりにくいので、共通安牌があればしっかりと切っていきましょう。特にリーチ者が子で親が押し返している場合は親の方が高い手だったりすることも多いです。また逆に親のリーチに押し返している子も親リーに押せるということですから高い手のことが多いです。このような手に放銃しないよう気をつけましょう。

あえて衝突を誘発させるオリ

これは点数状況にもよりますが、基本的には対リーチがきてオリている際の理想は流局か横移動になります。流局であれば最悪でも3000点の出費ですし、ツモられるよりも横移動の方が良いことが多いです。ツモられると1ハン増える上に自分も必ず失点するので、オリているときは可能であればなんとかツモられない努力ができると良いです。

そのためにあえて他の人に押してもらえるようにアシストする、という方法があります。あまり多くないケースですが、リーチ者の現物を切る際に現物の字牌よりも現物の数牌を積極的に切ることによって、下家に鳴かせ、手を進めさせて押させるという方法があります。リーチ者と下家の一騎打ちとさせることにより、戦っている二人の放縦率を増やし、自分の非ツモ率を減らすという効果があります。特にリーチに対する一発目であれば、下家の鳴きが入れば一発も消えるので、自分の手が完全に押せない手なのであれば、場合によってはやる価値のあるテクニックです。ただし本当に下家にあがらせていいのか、自分の手を潰してまでやることなのか等々考えることがたくさんあるので、比較的難しい方法となります。

テンパイを見据えたオリ

上記のあえて衝突を誘発させるオリとは逆ですが、自分の手がそこそこ良い手のときはもちろんいずれ復活してテンパイを組める手順でオリるべきです。誰かに衝突させるよりも自分が押せる手で押した方が良いです。そのためにはある程度テンパイを見据えつつオリるという技術が必要です。一般に回し打ちとも言われますが、基本的にテンパイできそうだから筋くらいは切る、というのではなく、安全にテンパイをとれる手順があるならそうする、くらいの方が良いです。この場合は字牌の安牌と数牌の安牌があれば素直に字牌の安牌を切ってテンパイを目指す方がいいです。上記の衝突を誘発させるオリとの判断基準は、自分の手が良い手ですぐにテンパイできそうかどうか、という点にあります。まだ戦える手であれば自分の手の可能性を残し、完全にだめなら少しでも他者に頑張ってもらえるよう努力するということです。

また、対リーチも終盤になってくるとベタオリしていたはずがある程度安牌も増え、流局も近くなりケイテンがとれるのではないかという状態になることがあります。この時はケイテンになる手順をなるべく捨てないように打つのが大切になります。そしてケイテンになってしまえば、多少の危険牌であれば実は押しても良いことが多いです。基本的に自分にリターンが見える(アガリ、テンパイ料)状態になってしまえば、押しは現実的な選択肢になります。完全撤退していたとしても、終盤が近い時はケイテンの取れる手順がないのか確認しましょう。

他者のアシストをする際も、自分のテンパイ手順を残す際も、前提として危険牌を切らないという条件があります。そもそもベタオリしないといけない状態で、オリを遂行しながら少しでも抗うことができるかどうかという話ですので、初心者はとにかくメンツ中抜きしてでもオリ切ることを目標にしましょう。それに慣れてから、自分の反撃や他者の攻撃の予測なども考慮しつつオリるように考えていきましょう。

筋カウントで放銃率の変化に対応する

ここからは完全に上級者向けの話です。

上述の牌の安全度を把握する話で安全牌の順位付けを行いましたがこれは平面的なものです。実戦ではリーチに対して実際に何本の筋が通ったかで次に押す牌の安全度は変わっていきます。筋というのは1-4,2-5,3-6,4-7,5-8,6-9と6本あります。これが萬子・筒子・索子の3種類で計18本あります。筋が2本しか通っていないリーチに危険牌を押すのと筋が12本通ったリーチに危険牌を押すのとではその危険牌の安全度が大きく違います。危険牌が筋や字牌であっても他の牌が多く通ったことで危険度は上がっていますし、特に初牌の字牌であれば終盤になると飛躍的に安全度は下がります。このように具体的に危険牌の放銃率を考え、押し引き判断に加味していくことでより洗練された押しやオリができるようになります。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする