久しぶりの更新は戦術書の紹介。
かなりすごい内容だと感じたので読んで興奮冷めやらず速攻書き留める次第です。
「鬼打ち天鳳位の麻雀メカニズム」お知らせ著
著者のお知らせ氏は第14代天鳳位として知られる方です。いわゆる鬼打ち勢で鳳南を月間で1041本打ったことで知られます。本当に人間か?というレベルの雀士ですが、その思考もまた本当に人間か?というレベルですごいものでした。
目次
天鳳位の思考本
序盤の手組み、牌の危険度、ベタオリ判断、副露読み、点数状況判断、作業の前倒し、という6つテーマで構成されています。
内容は基本部分もあるにはありますが少なく、全体的には上級者向け。何を切るかやどのように考えるか、という問題が出題されますが普通に結構外します(筆者が弱いと言われればそれはそう)。
おそらく対象レベルは天鳳特上後半〜鳳凰クラス。普通に雀荘でよく打つぜ!という方も間違いなく勉強になります。
多くの戦術書は初心者にもわかりやすく、体系的に、を意識して作られる傾向があります。一方でこの本は初心者にはわかりにくい部分もかなりあるはずです。文章量も多いので読むのも大変です。
一方で中上級者にとってはさらにステップアップするような内容で非常にためになる部分が多いはずです。こんなところまで考えているのか、という畏怖の念が浮かびます。
手組、牌の危険度比較、ベタオリ等は他の戦術書でも語られることがありますがそれらもより一回り深いところを考えさせられます。副露読みやカウンティング等そもそも難しい技術もさらに深掘りしています。
文章量が多く読むのが大変かもしれませんが、小テーマごとに「お知らせシステム」としてまとめられているので、まずはそこだけ読んでもいいかもしれません。
作業を前倒しするという観点
作業の前倒しという章があります。
麻雀中の思考は与えられた情報に対応する、ということに終始してしまいがちです。それだけでも難しいです。
しかしそれだけでなく、「ここがこうなる可能性もある。そのときはこうしよう」とあらかじめ考えておく、というのも大切です。そういった思考について網羅されています。
この章の内容は(おそらく)戦術書でしっかり語られたことが少ない気がします。目に見えず語られない割に重要な事柄で、しかもその解説の量も多く質も高いです。こんなところまで考えないといけないんだなと感じます。
麻雀の奥深さ
この本を読んだ感想は「こんなに考えることってあるんだな」の一言です。
天鳳位レベルの超強者の思考の深さをがっつり知れる本です。
また一方でここまで考えたり分析する余地がある麻雀は奥深いゲームだなとも考えさせられます。
麻雀は中級者くらいになると「だいぶ強くなった」「もうほとんど勉強することもない」と感じてしまうゲームです。
恐らくそんな状態の方が読むと「自分はまだまだ弱いんだ」と痛感させられるはずです。