このブログの主旨は主に初心者・中級者向けに麻雀上達の方法を伝えることです。実際の戦術論よりも上達のための考え方や上達に役立つ情報を重視して記事を書いています。
この記事ではブログの主旨でもある麻雀が上達するために必要な考え方を7つまとめてみました。
目次
環境を整える
人間は環境に支配される生き物です。効率良く強くなるためには優れた学習環境を作り、その中に身を置くことが重要です。
例えば、自分の打ち筋を見返したり、成績を管理するためのネット麻雀の利用。
あるいは、麻雀の議論する仲間やアドバイスをくれる上級者との繋がり。
あるいは、麻雀の理論的な勉強のための書籍の購入。
自分の学習・上達のための環境が整っているとそれだけ上達に近づきます。
例えばスマホの利用でふとした時にLineやTwitterなどで麻雀の質問できる人がいる環境や、空き時間に電子書籍で何切るを解くなど、気軽に麻雀に触れられる環境があればあるほど上達しやすくなります。
勉強や対局のハードルが低くなればなるほど習慣になりやすいです。なるべく良い環境を作るようにしましょう。
座学をする
どんな対戦ゲームにも先人が積み重ねてきたセオリーがあります。
将棋であれば定跡と呼ばれる序盤の駒の組み方であったり、囲碁・オセロでは定石と呼ばれる石の置き方だったり。
あるいは格闘ゲームであればキャラクターの相性・基本的なコンボ技だったり、ポーカーであればスターティングハンド(麻雀でいう配牌)での勝率と基本アクションなどです。
対人ゲームにおいて「基本的な戦い方」や「効率的な動き方」というのは知識として確立されていることが多いです。
しかも、これらの知識は知っているかどうかで強さが明確に変わるようなものばかりです。
考えてみれば当たり前で、将棋も囲碁もオセロも格闘ゲームもポーカーも、プレイヤーがその場で自力で考えて動くべき部分は多くあるはずです。
それにも関わらず有力な知識として共通化されている部分というのはある種その世界の基本常識に近いわけです。
その常識を知らずに立ち向かって勝てるはずがありません。
勿論これは麻雀でも同じです。先人が作ったセオリーや基本知識が存在しています。
これらのセオリーや知識を学ぶ上で一番効率的なのが戦術本を読むこと(座学)です。
本にはたくさんのセオリー・知識が詰まっています。
特に初心者向けであるものであれば麻雀において基本常識と言えるようなセオリー・知識が体系化して書かれているはずです。
習うより慣れろの精神で常に実戦から学ぶ、というのは少なくとも最初は効率的ではありません。
試験に受かるためにいきなり何度も過去問を解きまくるというのは効率的ではないはずです。
自分のレベルにあった分かりやすい教科書や問題集で学んでから模擬試験を解く、というように段階的に学んでいくはずです。
一ヶ月打ち込んでいて疑問に思うようなことでも本を読めば30分でヒントが見つかることもあるでしょう。
麻雀プレイヤーの多くは座学を軽視しがちです。
対局でしか磨けない技術があることもまた事実ですが、基本的な知識をまず身につける、ということが初心者を卒業する上での最初の課題になるはずです。
数字を大切にする
成績・戦術の2つの観点について、数字でしっかりと理解することが大切です。
成績面では、まずは自分の成績の数字を知ることです。
ネット麻雀で対局を重ねると、自分の成績を見ることができます。
平均順位、アガリ率、放銃率、平均打点など、自分の打ち筋についての様々な数字を見ることができます。
まずはこれを受け入れることが大切なことです。
成績の数字がないと、なんとなく「アガリが多いタイプ」「打点が小さいタイプ」「放銃が少ないタイプ」など自分の打ち筋を印象で捉えがちです。
これが実際に数字としてアガリ率が高いのであれば「アガリが多いタイプ」なのだと判断できますが、印象では計ることができません。
実際に「アガリ率が低い」「平均打点が小さい」という数字が出れば、それをもとに「ではアガリ率を上げるためにはどうするか?」「平均打点を上げれば成績が良くなるか?」といった検討をすることができます。
次に戦術面での数字の大切さについてです。
例えばと
のターツがあったとしてどちらかを落とすのであればまず
だと考えるでしょう。
なぜかというと受け入れ枚数がの方が多いからです。
何を当たり前のことを、と思うかもしれませんが、重要なのは形の背後にある数字を重視することです。
例えばこれを「カンチャンよりリャンメンの方が優秀だから」と捉えるのは厳密な意味では正解ではありません。
「カンチャンの受け入れ4枚とリャンメンの受け入れ8枚だとリャンメンの方が優秀だから」が正しいです。
よって例えばが6枚切られているのであれば
を残すことになります。
牌効率の受け入れを例にしましたが、押し引きでも鳴き判断であっても数字で捉えることが重要です。あるいは確率を意識する、と言い換えることもできます。
例えばこの牌を押したら放銃率はどの程度あって、自分のアガリ率はどの程度あるのか・・・ということを概算でもいいので考えてみることです。
「テンパイだから押す」「イーシャンテンだから降りる」はあくまで簡略化したものであって、その結果自分がどのくらいのリターンを得られるのか?ということを考えていかないといけません。
実際に確率を計算すること自体は上級者にも難しいです。そもそも、麻雀におけるデータ・統計系の知識を知っていないといけません。
しかし、とことん数字と向き合うことは上達する上では避けては通れないはずです。
結果論で語らない
麻雀を上達する上で陥りやすい罠の1つに、結果を必要以上に受け止めてしまうというものがあります。割と真面目に勉強するタイプの人にありがちです。
例えばリーチした後に追っかけリーチを受けて一発で放銃しても、放銃自体が悪いわけではありません。
相手が追っかけてくること、自分が一発で掴むこと自体を正確に予測するのは不可能です。
重要なのは自分のリーチ判断が誤っていたかどうかという点です。
結果として放銃したこと自体についての反省はしようがありませんし、すべきではありません。
・結果的に勝ったのだから、自分の判断は問題ない。
あるいは
・結果的に負けたのだから、自分が間違っていた。
という結果論を用いてしまうと上達の妨げになります。
麻雀は自分の選択が全てすぐに結果として返ってくるゲームではありません。
相手の手牌や山など不確定情報が多いので、「一番良い結果になる可能性が高い」選択を積み重ねるべきです。
そして選択が正しいのかに注目すべきで、その選択をした結果どうなったのかは重要ではありません。
「結果が全て」とか「勝てば官軍」というような言葉が良しとされる世界も多いですが、麻雀においてはこれらの考えはあまり持たない方がいいです。
長期的な視野をもつ
結果論で語らないことにも重なりますが、麻雀の成績は長期的な視野で受け取るべきです。
10半荘で一度もラスを引かなかったからといって強いことの証明にはなりませんし、4連ラスを引いたからといって弱いというわけでもありません。
例えば
A:60%の確率で良い結果になる選択
B:40%の確率で良い結果になる選択
全部で10回選択する機会がある中で、常に選択Aを選んだとしても、3回しか良い結果にならなかった、ということは往々にしてあり得ます。
しかし、全部で10000回選択する機会の中で、常に選択Aを選んだのであれば、6000回くらいは良い結果になっているはずです。
回数を重ねれば(つまり長期的な視野でみれば)BよりもAの方が良い結果がでます。
成績・実力といったものは常に長期的な視野で判定すべきです。
ある程度の回数をこなした結果として平均順位がいくつだった、アガリ率・放銃率がどのくらいだった、というように成績を受け取るべきです。
短期的な結果が一切実力と関係ないとは言えないかもしれませんが、少ない試合数では成績や強さは語れないゲームだと認識すべきです。
比較対象を間違えない
麻雀プレイヤーは「自分がどのくらい強いのか」「自分の周りの人がどのくらい強いのか」というような「誰が強いのか」系の話が好きな傾向にあるように思います。
対人ゲームなので、誰々に勝っているとか、あるコミュニティで勝ち越している、ということを誇ることがあります。
逆にあの人には勝てないとか、誰々をライバル視しているとか、他者と実力の相対比較・格付けをしてしまいがちです。
それ自体も対人ゲームの楽しみの1つですので、否定はしません。
ですが、上述した「結果論を持ち込んではいけない」「長期的な視野でしか成績を計れない」という観点から考えると、自分は誰々より強いというような対人の格付けはほとんど正しくありません(厳密に言うなら、正しさを保証できません)。
多くの場合において、長期的な成績データを保管して比較することは難しいですし、そもそも対局相手が違っているはずで、しっかりとした比較はできません。
そもそも他者との比較が困難なゲームなのです。
では誰と比較すれば良いのかというと、それは過去の自分です。
過去の自分と比較して、成績が良くなった・悪くなった。
あるいは体感としてでも構いません。ここは成長したとか、むしろ逆に悪くなっている部分があるかなど考察してみましょう。
成長や変化、具体的な課題を見つけることができればそれはモチベーションの維持にもなります。
他者への興味・比較よりも自分への興味・比較に意識を傾ける方が上達する上では良い心構えとなるはずです。
対局に感情・プライドを持ち込まない
対局中に感情的になることがあります。
自分の渾身の手が流されて悔しい、放銃が続き弱気になる、逆に調子よくアガリを重ねていって気が大きくなるなど。
これらの感情の波は判断に影響を与えます。
うまくいかない悔しさや怒りといったネガティブな感情は勿論、逆に気が大きくなるなどのポジティブな感情であっても冷静さを失えば判断が雑になります。
そもそも、感情的になりやすい理由の1つとして、プライド(自尊心)を持って対局に臨んでしまっていることがあります。
ライバル視している相手との対局で負けたり、大きくリードしたトップ目から放銃で転落して負けるなどした際、プライドが傷つけられ感情的になってしまうパターンです。
自尊心やプライドは対局時以外の努力を促進することはあっても、対局中の判断に良い影響を与えることはありません。
感情的にならないためにも、不必要なプライドを対局に持ち込まないよう意識してみると良いでしょう。