初心者は「押し引きの教科書」で押し引きの基準を確立しよう

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今回は押し引きについての記事です。押し引きは非常に重要な技術です。麻雀は点数を稼ぐゲームですが、得失点を左右するのは押し引き判断によるところが大きいです。そういう意味では押し引き判断は成績に与える影響の大きい技術と言えます。しかし初心者にとってはセオリーを確立しにくい技術でもあります。押しすぎたり、引きすぎたり、同じような状況でも押したり引いたりと自分の押し引きの基準を確立していない人は結構多いです。もちろん押し引きは状況によっても大きく変わるのですが、少なくともこのような時は押す、このような時は引く、という基準を持っていることが大切です。今回紹介する「押し引きの教科書」は押し引きの基準を確立するにはもってこいの良本です。タイトルに教科書とありますが、名前に負けず現状押し引きを勉強するために一番オススメの本ですので、紹介します。

目次

押し引き特化本

本の帯に「初の押し引き特化本」とあるように、麻雀の戦術本で押し引きに特化して書かれている本は少ないです(この本は2016年末に発売。後に「麻雀・鉄押しの条件」という押し引き本が出ていますが、中上級者向けの本です)。この本以前にも押し引きに言及した本はありました。例えば、「現代麻雀技術論」では押し引きのトピックで比較的詳細に言及されていました。しかし現代麻雀技術論は初心者には敷居の高い本です。データや場合分けが多く、文字の多い本は理解も難しく、習得が難しくなります。「押し引きの教科書」の良い点は、押し引きのよくあるケースを牌図を用いて解説しているところです。対リーチにのみ手の両面テンパイの時、など、よくある上にどうしたらいいのか迷いやすいようなケースを網羅しています。全119ケースについて解説していますが、牌図を使い類似ケースごとに体系的に網羅しているので読みやすく、理解しやすい構成になっています。そういった意味でも初心者が押し引きの勉強をするときにはまず手に取るべき本だと思います。

基準を作ることの重要性

特に初心者にとって押し引きの難しいところは、同じような状況でも同じ判断を下しにくいというところだと思います。自分の中にしっかりとした基準がないと、なんか怖そうなリーチだし降りよう、とか、自分の手は高い手だから押そう、というように一側面にのみ着目して判断してしまいがちです。押し引きの基準を持つということは非常に大切なことです。そして基準作りに使えるのがこの本です。この本では「序盤の対リーチ、自分は良い手」「中盤の対リーチ、自分は良い手」「序盤の対リーチ、自分はまずまずの手」「中盤の対リーチ、自分はまずまずの手」というように、巡目や手牌の広さ、高さなど様々なケース分けがあり、巡目や打点などのそれぞれの要素が変わったときに押し引きはどう変わるのか、というのがわかりやすく書かれています。

本の中でも言及されていますが、押し引きは手の高さ、待ちの良さ、テンパイへの近さ、点数状況、巡目等の要素で構成されます。これらの要素の組み合わせによって押すか引くかの結論が決まります。そしてそれを実戦で素早く導くためには「中盤に、手は安く、待ちが良く、テンパイしているとき」はこうする。あるいは「終盤で、手が高く、待ちは悪く、テンパイしているとき」はこうする、というように様々なケース毎で押し引きの基準がある程度前もって作れていることが重要です。基準が作れていることにより、実戦では応用的な判断もできますし、同じような状況であれば同じ結論を導き出すことができます。

周回して徹底的に覚える

戦術書全般に言えることですが、本を読んでも自分が対局で実践できないのであれば意味がありません。内容を理解し、実際に自分で体現できることが大切です。特に押し引きは対局中の出現頻度も高く、成績にも影響を与えやすい技術です。「押し引きの教科書」に書いてあることは基本的なものも多く、間違えてはいけない鉄押し、鉄引きの部類の問題も多くあります。各問題が左ページにあり、次の右ページに答えが書いてあるという周回向きの形式ですので何度も繰り返し読んで覚えましょう。読んだら対局中に思い出して再現できるようになりましょう。恐らく何度も周回していると答えを覚えるのは勿論ですが、押すべき時と引くべき時の違いが分かってきて本に書いてないケースに出会っても本のケースの基準をずらして考えて自分なりの答えが出せるようになっていくと思います。この本に書いてあることを全て理解し正確に体現できれば初心者脱出どころか、普通に強者と言えるレベルだと思います。

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