デジタル派必読書!『「統計学」のマージャン戦術』を初心者こそ読むべき理由3つ

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最近(8月12日)発売された『「統計学」のマージャン戦術 著者 みーにん』という戦術書。みーにん氏は数理的に麻雀を解析している数少ない麻雀研究者です。著者とタイトルを見て非常に麻雀の上達に繋がりやすいのではないかと予想しましたが、読んでみるとやはりその予想は当たっていました。麻雀の上達に必須であるデジタルの考えがこれでもかと詰まっていて、なおかつわかりやすく書いてあるこの本の魅力を紹介してみようと思います。

目次

徹底したデジタル思考が身に着く

このブログでは何度も書いていますが、麻雀の上達にはデジタル思考が欠かせません。確率や統計といった数理的な根拠に基づいて選択をしていかないと強くはなれません。この本はそんなデジタル思考が前提で書かれています。また、本の冒頭でサイコロを用いたよくある期待値の説明から、それが麻雀であればどういう期待値計算になっていくか、ということが丁寧に書かれています。この冒頭文を読んで、なるほど、と思えるだけでデジタルの基本的な思考は身に着くと思います。勿論一貫して論理的、デジタル的な主張が書かれていますので、本を読み終わる頃にはデジタルの考え方が染みついていると思います。

基本的な戦術について統計的根拠が書かれている

カンチャンドラ1はリーチ、先制両面は基本リーチ、など、現代麻雀では定石となってきた戦術があります。これらの戦術は確かに正しいのですが、強い人がそう言っているからというような曖昧な根拠で使っている人もいます。それはそれで悪くないのですが、今回この本ではそれらの定石について徹底的に統計データを出し、統計的な側面からその戦術の正しさの裏付けをしています。こう言った数字を裏付けとして出されると非常に説得力が増しますし、この戦術はやはり正しいのか、ということが分かります。

また、内容は先制立直、押し引き、ベタオリと当たり牌読み、の3章に分けられ、その中でよくあるテーマについて分けて説明されています。例えば先制立直の章ではチートイドラドラ字牌待ちをリーチするか、ダマにするか、ということをアガリ率やアガリ時打点などを統計的にはじき出し根拠を持って結論を出しています。また、興味深いのは、アナログなイメージのある当たり牌読みについても統計的なデータを持ってきて考察している点です。ソバテンやアンコ筋といった比較的アナログなテーマにもデータで解析し結論出していることには、麻雀研究の奥深さと解析範囲の広さへの驚きを感じます。

個人的には統計データからはじき出した結論は現状の麻雀戦術の結論と言っても過言ではないと思いますので、現状の麻雀戦術の正解を知れると思えば、かなり良書だと思います。

有用なデータ知識が手に入る

この本の中ではなんと70以上の図表が書かれています。例えば字牌の巡目別の危険度、追いかけ両面リーチの巡目別のアガリ率や放銃率など、莫大な量の統計データを図表として掲載しています。これらのデータを読み込むだけでも、アガリ率や放銃率、期待打点などが体系的に知識として分かっていくので、色々な判断の基準になります。正直このデータだけでも本代の価値は余裕であると思います。読む場合は本文は勿論ですが、何度もこの図表の部分を読み込み、自分の知識として定着させてみてください。そうすると実戦でもこの巡目のリーチだとこのくらいのアガリ率で巡目が進むごとにこれくらいアガリ率が下がるから、ここはリーチしてしまおうというような考え方もできるようになると思います。

みーにん氏はこの本以前にも『統計で勝つ麻雀』という同様の戦術書を出していますが、それらの本よりも統計データという戦術の根拠となる部分をかなり充実させて書いている印象を受けました。戦術については比較的メジャーなものが多く、だからこそ初心者にとっては基本的な戦術を豊富な統計データの裏付けから学べるというものすごく贅沢な戦術書になっていると思います。それでも二家リーチに対する局収支では私の考えていた期待値よりもかなり押し有利というデータが示され驚きました。一貫してにデジタル的な考え方で書かれており、特に押し引きの押した時とオリた時の局収支の比較で判断するという考え方は押さえておきたい考え方です。

総合的な感想として初心者は戦術を学べる、中級者以上であればは戦術の根拠を学ぶことで自分の戦術を修正できる、という良書だと思います。得に初心者は下手な戦術書から入るよりもこの本から入るとほぼ間違いなくデジタル思考が身に付きますのでおすすめです。

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