麻雀の勉強法の分類と上達の基本サイクル

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久しぶりの更新です。というか今年初の記事となります。twitterではたまにつぶやいていたのですが、ブログはご無沙汰でした。すみません。

今回の記事は麻雀の勉強法についてです。麻雀の勉強には様々な方法があります。今回は麻雀の勉強法について分類しそれぞれ考察してみます。その上で効率的な勉強法を考えていきます。

目次

座学

座学とは主に戦術本を読んだりサイトを見たりして勉強することです。知識やセオリーのインプットをこなします。何切る問題などに取り組むことも含みます。初心者であればまず重視すべきはここです。多くの人が座学を疎かにし対局に取り組んでいますが、基本的な知識が無いと実戦ではなんとなくの判断しかできません。対局中にその場で自分で考えることは大切ですが、自分でしっかり考えるためにもそのための土台となる知識やセオリーは必要になります。今は数多くの戦術本が売られていますし、お金をかけずともサイトやブログなどを読み勉強することはできます。また対局ほどの環境や時間が必要ないというメリットもあります。

対局

練習でもあり本番でもあるのが対局です。座学がインプットだとすれば対局がアウトプットに相当します。上達という観点からみると、座学等で学んだことを体現できるように練習する場です。新たな戦術や知識を知って、それが「わかる」だけではなく「できる」ようにすることが対局では重要です。主に対局で鍛えるのは知識の実践に加え判断の瞬発力や牌の数え上げなど場の状況を読み取る能力です。対局中には「何を切るか?」「押すか引くか?」というように常に判断を強いられます。しかし対局中には一つの判断に何分もかける時間はありません。時間をかけて考えれば分かるような比較判断でも咄嗟には判断がつかないというようなことも多くあります。この判断の瞬発力を鍛えることが重要になります。また、実際に判断する際には場の状況も判断要因になります。この場の情報を拾う力も座学や牌譜検討では鍛えにくい部分です。なので、対局中は意識的に場に関連牌が何枚切られているかとかどの色が安いのか等を判断する練習をすると良いです。意識的に場をよく見るように心掛けると牌の枚数の数え上げなど、場の情報を読み取る力が上がってくるはずです。

牌譜検討

牌譜検討とは主にネット麻雀において牌譜再生(リプレイ)機能を用いて対局を振り返る勉強法です。上級者に自分の牌譜を見てもらいアドバイスしてもらうというケースが多いです。この勉強法の利点は自分では自覚していないミスが見つかるということです。対局中は基本的に自分がよいと思っている判断をします。そのような自分にとっては当たり前の判断でも上級者の目にはミスに映ることがあります。このミスは自分だけで対局の反省をしていても見つかりにくいものです。ミスを減らすことは上達に繋がります(→過去記事「麻雀の上達に欠かせない「ミスを減らす」という考え方)が、ミスは自分自身では見つけにくいものです。仮に自分にとってその指摘が正しいと思えないとしても、他者からの指摘によって再考を求められ、また深く考え直すことは上達に繋がります。

ただ、牌譜検討をするときに重要なのが本当に信頼できる上級者に見てもらうということです。このブログの最初の記事にもありますが、初心者にとっては上級者を見抜くのが難しいです。結果を出していたり、説明が論理的であるというようにある程度信頼できる上級者からの指摘をもらえると良いです。また、初心者は基本的に信頼できる上級者の言うことは鵜呑みにした方がよいです。自分の感覚的に違和感がある指摘でも、多くの場合では上級者の言うことの方が正しいことが多いです。長期的な成績を出している上級者から指摘をもらい、基本的には鵜呑みにしていくと効率的です。

観戦

他者の対局を観戦して勉強するという方法もあります。ネット麻雀の機能でも観戦機能はありますし、リアル麻雀でも友人が打っているところを後ろから見たりする人もいるかもしれません。また、プロの対局動画などを観戦することもできます。特にプロの対局を観て勉強しようと考える方は多いかもしれません。ただ、観戦して勉強するというのはあまり初心者向けの勉強法とは言えません。理由はいくつかあります。

まずは、観戦だけでは実際に打っている人の打牌の意図は分からないということです。例えば見ていてなぜこれを切るんだろう、と思っても本人に意図を聞ける状況でないのなら真意が分かりません。勿論リアル麻雀で後ろ見していたのであれば聞くことができますが、ネット麻雀やプロ対局では聞けないことが多いです。聞けないからといって、恐らくこういう意図だろうと考えても、実際には違う意図があったのかもしれないですし、ネット麻雀ならクリックミスでの打牌かもしれません。どの道本人に聞かないと真意は分かりません。勉強するときに重要なのは判断の結果ではなくなぜそう判断したかという思考の方です。その思考が分からないのなら打牌という結果だけ見ても勉強にはなりません。

また、観戦する対局のルールと普段自分が打っているルールが違うことがあるということも気をつけないといけません。例えば一般的なフリー雀荘のようなルールで普段打っている人が天鳳の鳳凰卓を観戦しても、ルール(この場合は順位配分)が違えば、打牌の方針はかなり変わります。普段はトップ取りが重要なルールで打っている人が鳳凰卓の強者の打ち方を見様見真似しても良い上達には繋がりにくいです。同様にプロ対局も競技麻雀や赤なしルール、連戦して総合ポイントを競うなど色々なルールでの対局があるので、プロの打牌を真似ても上達に繋がるかは微妙ではないかと思います。

初心者の上達法としては観戦よりも牌譜検討の方が良いのではないかと思います。観戦はあるルールでの強者が他ルールでの強者の打ち方を参考にするために見たり、狭いコミュニティの中で誰がどのような打ち方をするのかを観察したいとき、あるいはネット麻雀での強者が牌譜検討するまででもないような時に少ない労力で勉強したいときなどに使える方法なのではないかと思います。

わかる→できる(→考える)を繰り返す

これらの勉強法を踏まえた上で、どう勉強するのが効率的な上達なのかというのを考えていきます。特に初心者にとって基本であり重要なのが座学です。強くなりたいと言いながらひたすら対局している人もいますが、対局は知識や戦術のアウトプットと立体的な判断力を鍛える場面です。インプットが無ければアウトプットはできません。例えばリーチ判断にしても、全く知識がないとテンパイする度にリーチしたほうが良いのか?と考えます。しかし知識がないので考えても答えはでません。その結果なんとなくの判断を毎回積み重ねることになります。そうではなく、まずこのようなときにはリーチをすべきでこのようなときはリーチをすべきではないという知識を学びます。リーチ判断について書かれた戦術本やサイトは多くあるはずです。そこで一旦インプット(わかる)した上で、対局中にテンパイ場面が来たときに、これは自分の得た知識からするとリーチした方が良いからするというようにアウトプット(できる)の練習をします。勿論戦術本や知識が全ての答えではありません。麻雀は常に状況が変わり、判断材料も変わっていくものですから、そのうちこれは戦術本にはリーチした方が良い場面とあったけどさすがに状況的にしない方が良いのではないか、というような場面に出会うはずです。この時に初めて自分の頭で考えるくらいで良いのです。ある程度の知識の蓄積や場の状況の読み取りができるようになると自分で深く考えて判断することができるようになります。そうなるには、まずは基本的な知識を得て使いこなせるようになることが重要です。

なので、上達の基本サイクルとしては座学→対局の繰り返しが良いでしょう。その上、もし良い環境があるのであれば、牌譜検討を行うと更に効果的な勉強になります。座学→対局だけだと知識として確立している場面以外では自身の判断に任せるしかありません。特に座学での知識は平面的(場の状況などを含めない判断)なものが多く、立体的(場の状況を含めた判断)になると判断が変わることもあり得ます。また自分では分かっているつもりでも実際には自覚なくできていないこともあります。そのような場面で上級者からのアドバイスをもらえると修正しやすいです。ミスを指摘されるということは自分の考えが上級者の考えと合っていないということですから、どこがどのように合っていないのかという議論ができれば、そのミス場面だけでなくより幅広い場面に応用することができます。例えば、リーチに対してオリた牌が間違っていると言われれば、そもそもオリ基準が正しいのか、安牌の正しい比較ができているのか、点数状況等の認識が甘いのか、というように限定的な一場面から一般化して判断基準に議論を発展させることができるとより良い牌譜検討になります。

このサイクルをひたすら回し続けるとかなり強くなれると思います。これはかなりガチ勢向きの取り組みで、実際にやると大変だと感じる人も多いはずです。ただ、牌譜検討は難しくてももう少し座学を大切にしてみても良いと感じています。強くなりたいと言いながら対局ばかりしている人は多いです。対局は楽しいですし決して上達に関係ないとは言えないですが、強くなりたいと思うのであれば座学を軽視せず、有効なセオリーや知識を吸収し実践するのが大切です。

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